妻がLINEをこっそり見て夫の浮気を見破る…という状況はドラマでも現実でもよく起きます。実際当事務所にも証拠としてLINEのやり取りを持参される方は多いです。
実際に、不倫の証拠としてLINEは使えるのでしょうか?
配偶者と不倫相手とのLINEに、肉体関係をうかがわせる具体的なやり取りなどが残っていれば、不貞行為の証拠として利用できる可能性があります。
ただし、LINEは残し方によっては証拠として十分に認められない場合もあるため注意が必要です。送信取消やトーク履歴の削除への対策、証拠になりやすいLINEの内容、LINE以外の証拠収集方法についても知っておく必要があります。
本記事では、弁護士が不倫の証拠としてLINEを残す方法や注意点、LINEが証拠にならないケース、その他の証拠収集方法について詳しく解説します。

中央大学の法務全般を担当している中央大学「法実務カウンセル」(インハウスロイヤー)であり、千代田区・青梅市の「弁護士法人アズバーズ」代表、弁護士の櫻井俊宏が執筆しております。
LINEのやり取りを不倫の証拠として残す方法と、証拠として認められるケース
LINEの「送信取消」やトークの削除に対抗する方法|スクリーンショット・画面ごとの撮影
LINEにおける配偶者と不貞相手とのやりとりで、例えば「昨日はエッチできてよかった」「昨日は君の裸が素敵だった」等のやりとりがある場合は、それ単体でも不倫の証拠として認められることがあります。
このようなLINEの内容は、一度見つけても、後から消されるおそれがあります。
LINEには、送信したメッセージを自分と相手の両方のトークルームから削除できる「送信取消」という機能があります。また、「削除」を使うと、自分のトークルームからメッセージを削除できます。現在のLINEでは、標準の場合、送信取消は送信後1時間以内、LYPプレミアム会員の場合は7日以内など、利用条件が設定されています。
そのため、一度は不倫の証拠となるLINEを見つけたのに、後から削除・送信取消されてしまう可能性があります。
また、配偶者が一度は不倫を認めて観念した場合に、自分に対して「不倫をして申し訳ない」などと、その旨を認めるLINEが送られることもあるでしょう。しかし、そのようなLINEの内容があるからと安心してはいけません。
配偶者が、自分が不倫をしたことを認めたLINEが自分のスマートフォンに残っている場合には、スクリーンショットをして保存することで、後から内容が変更・削除された場合に備えることができます。
また、配偶者のスマホで見つけた不倫相手とのLINEなどが消されることに対抗するためには、配偶者のLINEの内容が映っているスマートフォンの画面ごと、自分のスマートフォンで撮影しておく方法もあります。
実際、このように証拠を残される方も多いです。
なお、LINEのトーク履歴は、削除や送信取消を行った後に復元できるとは限りません。LINE公式ヘルプでも、削除したメッセージは復元できないと案内されています。
不倫の証拠を見つけたときは、先ほどお話ししたスクリーンショットや画面の撮影などの方法により、できるだけ早く証拠を確保しておくことが重要です。
LINEの証拠の量が多い場合に有効な「トーク履歴の送信」
LINEで、不倫当事者が相互に頻繁にメッセージを送っている場合には、証拠としての分量が膨大になってしまいます。
LINEを証拠として提出する場合には、スクロールしながら数回のやり取りごとに写真やスクリーンショットを撮影すると、証拠が細切れになり、大量の画像になってしまうことがあります。
実際には、あまりに多くの証拠が出てくると、重要なやり取りを確認しにくくなるおそれもあります。
この場合、LINEには現在、トーク履歴をテキスト形式(.txt)で保存・送信する機能があります。
スマートフォンでは、トーク画面上部のメニューから「設定」→「トーク履歴を送信」を選択することで、トーク履歴をテキスト形式で保存できます。Windows/Macでは「トークを保存」から保存できます。
なるほど!トーク履歴をテキストデータとして保存しておけば、大量のやり取りを確認・整理する際にも役立ちますね。
ただし、テキスト形式で保存したトーク履歴だけで十分とは限りません。
重要なメッセージについては、日時や相手の情報、前後の会話などが確認できる形でスクリーンショットや画面の撮影も行い、元のLINE画面との対応関係が分かるように保存しておくとよいでしょう。
また、LINE公式ヘルプでは、テキスト形式で保存した履歴はLINE上に復元できないと案内されています。証拠として利用する場合には、保存したデータを適切に管理しておくことも重要です。
裁判上、どのようなLINEの証拠で不貞行為が認められるのか
LINEのやりとりが証拠として有効というのは理解できましたが、具体的にどのような場合に不貞行為が認められるのでしょうか。
基本的には、不倫者同士に肉体関係があることを示す内容であることが重要です。つまり、それを推認させるようなやり取りが必要ということです。
例えば、
「昨日の君の身体は良かった。」
といった内容であれば、不倫の証拠として認められる可能性があります。
一方、
「昨日の夜は気持ちよかった。ありがとう。」
といったような、マッサージなど別の意味にも受け取れる内容では、それだけで肉体関係を証明することは難しい場合があります。
現在の法律系メディアでも、LINEの内容が不貞行為の証拠として認められるためには、肉体関係を推認させる内容であること、トーク内容に信用性があること、改ざんされていないことなどが重要とされています。
ただ、「愛している」といった好意を示す内容であっても、不倫関係の期間や頻度、婚姻関係への影響などを示す間接的な証拠となり、慰謝料額などに影響する可能性があります。
性交渉をしている自分達や、裸のままの相手の写真・動画を送り合っているような場合には、もちろん不貞行為があったことを示す重要な証拠となり得ます。
また、性交渉について直接記載されていなくても、二人で旅行したことが分かるやり取りや、ラブホテルへの出入り・利用をうかがわせる内容など、肉体関係があったと推測できる複数の事情があれば、証拠として認められる可能性があります。
さらに、「これって不倫関係だよね」「浮気していることが配偶者にバレていない?」など、当事者同士が不倫関係を認めているようなLINEも、状況によっては不倫を裏付ける間接証拠となります。
ただし、LINEの一部分だけで判断するのではなく、前後のやり取りや写真・動画、ホテルの利用記録など、ほかの証拠と併せて総合的に判断することが重要です。
不倫におけるLINEの証拠収集の注意点
今後、というか今でもそうなのですが、認証によりアクセスしないとスマホが開けないように設定されている場合が多くなっているので、相手が手放したすきに見ることができたこれまでよりもLINEを証拠で使える場合が減るのではないでしょうか。
実際、何かしらの形で認証を行いスマホの内容を見た場合や、ブロックのかかっているLINEのアプリに侵入した場合には、不正アクセス禁止法という刑罰に当たる場合があります(3年以下の懲役又は100万円以下の罰金)。
まあ、実際には、配偶者に不正アクセスをされて不倫の証拠を見られたと被害届を出したとしても、捜査機関が動くことは考えにくいとは思いますが、、
実際に、私が担当した事件で、夫が指認証に設定していた場合に、寝つきが良い夫だったのか、妻が夫の指をスマホに押し付けて、証拠を収集したケースがありました(汗)。
想像するなんとも怖い情景ですね。
録音・謝罪文作成等の他の証拠収集

ここでは不貞行為に関する録音・謝罪文等の他の証拠について解説します。
(1)具体例
性交渉中の録音・録画データが証拠としては最強ですが、それ以外でも次のような証拠を集めることで不貞行為があったと推認させることができます。
・ ラブホテルに出入りする画像
・ ラブホテルの領収書、クレジットカードの明細書
・ 手紙、日記、手帳、メモ
・ 携帯電話の通話履歴
・ 交通系ICカード、ETCカードの通過履歴
・ ドライブレコーダーの映像
・ GPSによる位置情報や移動履歴
・ 配偶者や不倫相手のSNS、ブログ
・ 興信所(探偵)による調査報告書
・ 第三者の目撃証言
・ 浮気や不倫の自認書、示談書 など
(2)証拠を集めるときの注意点
・ 複数の証拠を組み合わせる
性交渉中の動画など決定的な証拠以外はいずれも「不貞行為があったかもしれない」という間接証拠に過ぎません。言い逃れを許さないためには、証拠は複数かつ多種類が必要です。
・ 違法行為や証拠の改ざん
スマや手帳の盗み見程度を超えて、 盗撮、不倫相手の家に忍び込んでの捜索・盗聴は犯罪にあたる場合があります。また刑事裁判と比べると、民事裁判では不当な手段を用いて集めた証拠も許容されやすい傾向がありますが、著しく反社会的な手段を用いてプライバシーや財産権などを侵害する方法で集めた証拠は採用されない可能性があります。
さらに改ざんや加工しやすいデジタルデータも証拠として排除されることにも注意が必要です。
他の証拠も複数準備しておく、デジタル以外の方法で保存するなどの対応が大切なんですね!
(3)おのおのの具体的な方法で注意すること
不倫当事者の発言を残した録音も有効です。
被害者の方が、妻の様子がおかしいと思って、自分の家に録音をしかけ、家で行われた不貞行為についての録音がとれた場合もあります。
もちろんこれだけで不倫の証拠として有効です。
ただし、裁判で証拠として提出する場合は、録音データだけでなく、聴き取って文章化した反訳文書を提出する必要があります。業者に任せると1時間ぐらいで5万円前後の費用がかかります。
GPSの場合もありました。
自分でGPSを買って、
妻には、会社の支店に出張と言っていたのに、箱根に行っていたことが発覚しました。
不倫を認める謝罪文も証拠となります。
「…他の女性と肉体関係になってしまいました。」
「女性と食事したりするだけでも不倫になると思って「不倫」と書いた。」と後で弁明されないように、「性交渉」をしていたと一目でわかる書き方にするのが重要です。
少なくとも、名前は実際に自筆で書いてもらうと共に、日付を必ず入れる必要があります。
謝罪文に関しては、相手方が認めたわけではない点から、やや証拠力が弱いので、探偵の報告書等、他の負荷事情と合わせると更に有効となります。
不倫の証拠でLINEを使う場合のよくある質問
Q1. LINEのトーク履歴だけで不倫の証拠になりますか?
A. LINEの内容によっては、不倫の重要な証拠になる場合があります。ただし、肉体関係を直接示す内容がない場合は、写真やホテルの利用記録など、ほかの証拠と組み合わせることが重要です。
Q2. 不倫の証拠になるLINEにはどのような内容がありますか?
A. 肉体関係をうかがわせるやり取りや、ホテル・旅行などを示す内容は、不倫の証拠となる可能性があります。
Q3. 不倫のLINEはスクリーンショットだけでも証拠になりますか?
A. スクリーンショットも証拠の一つになり得ます。ただし、日時や相手が分かるように保存し、できるだけ前後のやり取りも残しておくことが大切です。
Q4. 配偶者のLINEを勝手に見るのは違法ですか?
A. 状況によっては、プライバシー侵害や不正アクセスなどの問題が生じる可能性があります。証拠収集は、違法な方法にならないよう注意が必要です。
Q5. LINEだけで不倫の慰謝料を請求できますか?
A. LINEの内容によっては慰謝料請求の重要な証拠となります。ただし、肉体関係を裏付けるほかの証拠と組み合わせることで、より確実な請求につながります。
不倫の慰謝料を請求したい場合は弁護士に相談を
不倫が発覚した場合は、証拠集めが重要です。
自分が知ってしまったことを配偶者が気づく前に、録音・スマホやパソコンでのやりとり・不倫を認める誓約書を作成してもらう等、あらゆる方法を駆使し、不倫があったことを推認させる証拠や不倫をした者が認める証拠を集めましょう。
それでも決定的な証拠が押さえられない場合、探偵に頼むことを検討してみるのも良いでしょう。
ただ、探偵費用は本当に高いです。
弁護士費用よりも高いことがほとんどで、なかには300万円以上も探偵費用を支払ってしまっているケースもあります。
不倫事件では、慰謝料は多くても200万円ぐらいであり、これでは大赤字です。
探偵を利用しなくてもこのようなLINEのやりとりや不貞を認める発言を録音で残しておくだけでも十分に裁判等で戦えます。
まずは自分で証拠収集もしてみることをおススメします。
男女問題でご不明なことがあればお気軽に、離婚・男女問題事件を多数取り扱っている弁護士法人アズバーズにお電話いただければと思います。
まとめ
LINEは不倫の証拠になることがありますが、LINEだけで不貞行為が認められるとは限りません。写真や動画、ホテルの利用履歴など、ほかの証拠と合わせて判断することが重要です。
「LINEの証拠だけで慰謝料請求できる?」「どのような証拠を集めればいい?」と悩んだら、早めに弁護士へ相談しましょう。証拠の有効性や今後の証拠収集、慰謝料請求の進め方についてアドバイスを受けられます。
(2023.9.6記事内容更新)
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