家事をしない夫・妻と離婚できる?専業主婦(夫)と共働きの違いは?慰謝料・モラハラを弁護士が解説

離婚・男女法律問題

「家事をする」と言って結婚後に専業主婦になったが家事をしない妻、勤務時間は同じなのに家事をまったくやろうとしない夫。
家事分担をめぐっては大なり小なり不満を抱える夫婦は多いのではないでしょうか?不満が高じて離婚問題に発展することがあります。

特に、共働きなのに妻ばかりが家事や育児を負担している場合には、「なぜ私ばかり大変な思いをしないといけないのか」「家事をしない夫に疲れた、離婚したい。」と感じてしまうこともあるでしょう。

では、相手が家事をしないことだけを理由に、離婚することはできるのでしょうか。

本記事では、夫や妻が家事をしないことを理由に離婚できるのかについて説明した上で、家事をしない夫の離婚率、専業主婦と共働きで離婚の判断に違いがあるか、離婚を考えたら何をすべきかまで解説します。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01-460x460.jpg
櫻井弁護士

千代田区・青梅市の法律事務所、弁護士法人アズバーズ代表弁護士の櫻井俊宏が解説します。

*弁護士法人アズバーズ代表弁護士櫻井俊宏が、YouTube幻冬舎ゴールドオンラインチャンネルで、離婚問題について解説しております。

1 家事の分担

まず、夫婦の家事についての統計を見てみたいと思います。

国立社会保障・人口問題研究所が2022年に実施した第7回「全国家庭動向調査」によりますと、妻の1日の平均家事時間は平日247分、休日276分、夫は平日47分、休日81分でした(妻の年齢が60歳未満の世帯)。

2018年に行われた第6回調査では、妻は平日263分、休日284分、夫は平日37分、休日66分でした。以前と比べると夫の家事時間は増え、妻の家事時間は減少していますが、それでも夫婦間の家事時間には大きな差があります。

調査年別にみた 1 ⽇の平均家事時間の図

第七回全国家庭動向調査 結果の概要

⑴ 夫婦それぞれのかたち

上記の平均家事時間が「長い」か「短い」か、感じ方はそれぞれだと思います。

家事の分担について法律は何ら干渉しておらず、各夫婦で決めるしかありません。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01-460x460.jpg
櫻井弁護士

たとえば「双方がきっちり折半とする」、あるいは「一方はまったく家事をしない」など、お互いが納得しているのであれば何の問題もありません。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2021/06/CW_6239073-案03c-removebg-preview.png
事務員

問題は夫婦のいずれかが不満を持っている場合ですよね。

⑵ 夫婦の義務

まずは「不満」の正体を確認しましょう。

民法752条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と夫婦の義務を規定しています。

  • 同居義務結婚後の夫婦は一緒に住む義務があります。
  • 協力義務夫婦が協力して、日常生活の維持、病者の監護、子どもの保育などあらゆる場面で支え合う義務です。
  • 扶助義務夫婦相互が同じレベルで生活できるように助け合う義務です。
    経済的な援助を意味し、実際には各自が収入に応じた婚姻費用を分担することによって実現します。

一般的に、家事労働を含め生活費の拠出などに夫婦間で偏りがあり、これを是正しようと努めない態度は、扶助義務および協力義務に反します。

つまり、妻(夫)が家事をしないことの不満は、夫婦の協力扶助義務違反が原因です。

2 家事しないことを理由に離婚できる?

では、家事をしないことを理由に離婚することができるのでしょうか?

⑴ 協議離婚

日本では国際的にめずらしい夫婦の合意による離婚、協議離婚制度があります。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01-460x460.jpg
櫻井弁護士

夫婦が合意するのであれば、いかなる理由であっても離婚できます。もちろん、家事をしないことを理由に離婚することは可能です。

⑵ 裁判離婚

夫婦の一方が離婚に応じない場合には、裁判所に訴えを起こして判断を求め、法定の離婚原因(民法770条1項)に該当すると判断したときに限り裁判所は離婚を認めます。離婚原因は5つありますが、そのうち問題となり得るのが「悪意の遺棄」および「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。

①悪意の遺棄(2号)

「悪意」とは、夫婦関係の破綻を積極的に企図し、もしくは破綻しても構わないという意思のことで、「遺棄」とは、正当な理由なく同居・協力・扶助の義務を継続的に怠って夫婦の共同生活の維持を拒否することです。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01-460x460.jpg
櫻井弁護士

具体的には、正当な理由なく同居を拒む、相手に収入がないのを知りながら生活費を一切入れないなど、行為それ自体に夫婦関係を破綻させる意思が認められる場合です。

これに対して、家事をしないのは協力扶助義務を怠ってはいますが、その事実だけでは積極的に夫婦関係の破綻を企図もしくは容認する意思まで見て取れるとはいいがたく、また「仕事が忙しい」「体力がない」などの正当理由を持ち出す可能性もあります。

したがって、家事をしないという事実だけで裁判所に「悪意の遺棄」を認めてもらうことは難しいと考えられます。そこで、離婚原因としては次の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」も合わせて主張するのが通常です。

②その他婚姻を継続し難い重大な事由(5号)

一般に、婚姻が破綻していて回復の見込みがない場合をいいます。夫婦双方が婚姻継続の意思を失っているのであれば協議離婚をすればよいわけですから、ここでの婚姻破綻とは、夫婦のどちらか一方が婚姻継続の意思を失っている状態です。しかし、相手は離婚に応じない状況です。

そこで「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、相手が離婚されてもやむを得ないだけの、つまり、もし同じ立場なら誰でも婚姻継続の意思を失うであろう程度の事情が要求されます。

具体例としては、暴行・虐待、犯罪行為、浪費癖、勤労意欲低下、性行為不能、性格の不一致、親族との不和などです。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-03-460x460.jpg
櫻井弁護士

「悪意の遺棄」と比べると対象となる事実は幅広くありますが、その事実が「誰でも婚姻継続の意思を失う」ものかという評価が必要になるのが特徴です。

判例を見てみましょう。

【東京地裁平成17年6月14日】

夫(美容整形外科医)から妻(同医院勤務)への離婚等請求事件です。

「被告(妻)は、原告(夫)と婚姻した後も前記美容外科医院での勤務を継続していたのであり、原告もこれを積極的に評価していたのであるから、被告が当然に家事全般を行わなければならないものということはできず、原告の洋服の片付けや靴磨きは原告自身が行えば足りることであって、これを一方的に被告に押し付けようとする原告の考え方は、身勝手というほかない」として請求を棄却しています。

この判例からも、単純に「妻が家事をしないから離婚できる」というわけではなく、夫婦それぞれの仕事や生活状況、家事分担についての事情が考慮されることが分かります。

【東京地裁平成15年4月21日】

夫から妻への離婚等請求事件です。

妻は結婚当初から家事をほとんどせず、精神不安から自殺願望が強くたびたび深夜に救急車を呼んだりしていました。夫は仕事を休んで看病せざるを得ず、消費者金融から160万円の借入れをしています。
その後、妻は英会話スクールの割賦金弁済のためコスプレカフェに勤務し、その店長と不貞行為に及んでいますが、あいかわらず家事はしていませんでした。

裁判所は「被告(妻)の家事を拒否する態度という婚姻を継続し難い事由により(婚姻は)破綻したものと認められる」として離婚を認めています。

このように、家事をしないという事情も、夫婦関係の悪化やその他の事情と合わせて、婚姻関係の破綻を判断する一事情となることがあります。

医者・経営者等富裕層の離婚と財産分与【株式・退職金・2分の1ルールの例外・有責配偶者等について弁護士が解説】

3 家事をしない夫は離婚しやすい?離婚率は?

「家事をしない夫 離婚率」という検索をすると、具体的な数字を知りたい方も多いようです。

しかし、「家事をしない夫」を原因とする離婚率を直接示した公的な統計はありません。

そのため、「家事をしない夫の離婚率は○%」「家事をしない夫は離婚率が○倍」といった数字を一概に示すことはできません。

一方で、夫婦の家事負担には現在も大きな差があります。

2022年に実施された第7回全国家庭動向調査では、妻の1日の平均家事時間は平日247分、夫は47分、休日は妻276分、夫81分でした。妻の家事時間は以前の調査より減少し、夫の家事時間は増加していますが、依然として妻の負担が大きい状況です。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-3-300x300.png
渡邊事務員

では、家事をしない夫は離婚しやすいのでしょうか。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-8-300x300.png
櫻井弁護士

ここも、単純に「家事をしない=離婚」という関係ではありません。家事分担について夫婦双方が納得しているのであれば、一方がほとんど家事をしない家庭であっても、円満に回っている家庭は多くあります。

反対に、一方だけが家事や育児を負担し、その状態について何度話し合っても改善されない場合には、夫婦間の不満が積み重なり、婚姻関係そのものが悪化していくことがあります。

つまり、離婚できるかどうかを考える際には、単に「夫が何時間家事をしたか」という数字だけではなく、夫婦がどのような分担をしていたのか、そのことについて話し合いをしてきたのか、相手が改善しようとしたのか、そして夫婦関係がどの程度破綻しているのかなどを総合的に見る必要があります。

4 共働きなのに夫が家事・育児をしない場合は離婚できる?

共働き夫婦の場合、勤務時間は同じなのに妻ばかりが家事をしている、あるいは仕事に加えて育児まで妻が一人で担っているというケースがあります。

このような場合、「家事をしない夫と離婚したい」と考えることもあるでしょう。

⑴ 共働き夫婦の家事・育児はどのように分担する?

共働き夫婦の場合、一方が家事全般を担うとの合意がない限りは、家事についても協力・分担し合うことが基本となります。

意がないのに一方がまったく家事をしない場合には「婚姻を継続し難い事由」に該当する可能性があります。

ただし、共働きといっても勤務時間や収入、通勤時間、残業の有無、子どもの有無など、夫婦の事情はそれぞれ異なります。

「共働きだから必ず家事を半分ずつにしなければならない」ということではありません。

重要なのは、夫婦の一方だけに負担を押しつける状態が続いていないか、それについて夫婦で話し合い、協力しようとしているかという点です。

⑵ 妻ばかりが家事をしている場合は離婚理由になる?

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-5-300x300.png
渡邊事務員

共働きなのに家事を妻ばかりが負担し、夫がまったく協力しないのは妻側には相当な負担になりますね。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-8-300x300.png
櫻井弁護士

そのような状態が長期間続き、夫婦関係が悪化しているのであれば、家事負担の偏りも離婚を判断する上での事情となります。

特に、

  • 家事をしてほしいと何度も伝えている
  • 夫が話し合いに応じない
  • 家事や育児を妻に一方的に押しつける
  • 妻の仕事や体調を考慮しない
  • 夫の協力がないことで夫婦関係がすでに悪化している

といった事情が積み重なっている場合には、単に「家事をしない」という一つの事実だけを見るのではなく、夫婦関係全体を見て判断する必要があります。

⑶ 家事・育児をしない夫との離婚

家事だけでなく育児も妻に任せきりになっている場合には、妻の負担はさらに大きくなります。

特に、仕事をしながら子どもの送迎、食事の準備、洗濯、掃除、学校や保育園とのやり取りなどを一人で担う、いわゆるワンオペ育児の状態では、身体的にも精神的にもつらいでしょう。

共働き夫婦において、夫が家事・育児に一切関わらず、その状態について話し合っても改善しないのであれば、夫婦関係が悪化するのも無理のないことです。

⑷ ワンオペ育児で夫が協力しない場合

ワンオペ育児だからといって、それだけで直ちに裁判上の離婚原因になるわけではありません。

https://as-birds.com/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01.jpg
櫻井弁護士

しかし、夫婦の一方が家事や育児をほとんど負担し、他方がそれを当然のように押しつけ、SOSを出しても無視、さらに話し合いにも応じないなどの事情があれば、婚姻関係の破綻を判断する上で重要な事情となる可能性があります。

5 専業主婦・専業主夫が家事をしない場合は離婚できる?

⑴ 専業主婦なら家事をすべて負担する必要がある?

「夫が稼いで、妻は専業主婦をする」という夫婦であれば、少なくとも夫の勤務中は妻が家事をやるという合意があると考えられる場合があります。

専業主婦の妻がまったく家事をしないようであれば、やはり「婚姻を継続し難い事由」に該当する可能性があります。

ただし、専業主婦であれば、どのような事情があってもすべての家事を一人で負担しなければならない、という意味ではありません。
病気や育児、その他の事情によって家事ができない場合もありますし、夫婦間で別の分担方法を決めている場合もあります。

結局のところ、夫婦間でどのような合意があり、実際にどのような生活をしてきたのかが重要になります。

⑵ 専業主婦が家事をしない場合は離婚理由になる?

「家事をしない」という事情だけで必ず裁判離婚が認められるわけではありません。

一方で、家事を一切しない状態が長期間続き、夫婦間の協力関係が失われ、婚姻関係が破綻しているような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

⑶ 専業主婦の夫が家事をしない場合はどうなる?

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2021/06/CW_6239073-案03n-removebg-preview.png
事務員

では逆に、専業主婦の妻が働く夫の非協力を理由に離婚を求めるのは難しいでしょうか?

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-03-460x460.jpg
櫻井弁護士

その場合は難しいでしょうね。なぜなら、夫が生活費を全面的に負担し妻が家事労働を一手に担うという形式は「誰でも婚姻継続の意思を失う」とまでは言えないからです。

もっとも、専業主婦であることを理由に、家事や育児について一切協力しなくてよいということでもありません。

たとえば、妻が専業主婦であっても、夫が育児や家事について一定の協力をすることが夫婦間で決まっていたり、妻の負担が過度になっていたりするケースもあります。

夫婦の生活は一律に決められるものではありませんので、「専業主婦だから」「夫が働いているから」という一面だけで判断しないことが大切です。

6 家事をしない夫との離婚で慰謝料は請求できる?

家事をしない夫との離婚を考える方からは、「これだけ我慢してきたのだから慰謝料を請求したい」という相談もあるでしょう。

しかし、家事をしないという事実だけで、直ちに慰謝料が認められるわけではありません。

慰謝料は、離婚に至った原因となる行為が違法な権利侵害と評価できるかなど、個別の事情を踏まえて判断されます。

⑴ 家事をしないだけでは慰謝料請求は難しい

単に夫が家事をしない、妻が家事をしないというだけで、必ず慰謝料が発生するわけではありません。

たとえば、夫婦で「夫は仕事、妻は家事」という分担について結婚当初から合意しており、双方が納得して生活していたのであれば、一方が家事を多く担っていることだけを理由に慰謝料が発生するとは通常考えにくいでしょう。

一方で、共働きにもかかわらず家事・育児を一方に押しつけ、改善を求めても一切応じない、暴言や威圧的な態度を繰り返すなど、家事をしないこと以外の事情が重なっている場合には、慰謝料の問題が生じる可能性があります。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2021/06/CW_6239073-案03n-removebg-preview.png
事務員

えぇ…専業主婦は家事をしない夫とはどうやっても裁判離婚できないってことですか?離婚したいほど愛情が尽きている夫のために家事をし続ける人生…つらすぎませんか??

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-04-460x460.jpg
櫻井弁護士

ここまでの解説の流れだとそう思うかもしれませんが、実は夫の言動によっては裁判離婚できる場合があるんです。

⑵ モラハラや悪意の遺棄がある場合

たとえば、

  • 「家事なんか仕事より楽だろ」と言う
  • 家事や育児をしてほしいと伝えても無視する
  • 大声で怒鳴る
  • 威圧的な態度を取る
  • 生活費を渡さない
  • 正当な理由なく家を出て戻らない

これらの言動が度重なるようであればモラハラにあたります。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-03-460x460.jpg
櫻井弁護士

モラハラは多種多様ですが、精神的暴力といっていいほどのレベルであり、もはや婚姻関係が破綻しているといえる場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして裁判離婚できます。

⑶ 家事・育児の負担が慰謝料に影響するケース

家事や育児の負担そのものに金銭的な評価を付けるというよりも、夫婦関係がどのような状態にあり、それによってどのような精神的苦痛を受けたのかが重要になります。

そのため、家事をしないという事実だけを切り取るのではなく、夫婦のやり取りや相手の言動、家事・育児の負担状況などを具体的に整理しておくことが大切です。

7 家事をしない夫との離婚で必要な証拠・準備

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-3-300x300.png
渡邊事務員

では実際、家事をしないことを理由に離婚を考えている場合は何を証拠として残せばよいのでしょうか?

特に、モラハラのように目に見える傷が残らない問題では、客観的な証拠が重要です。

⑴ 家事・育児の負担を記録する

夫婦それぞれがどのような家事・育児を担当しているのか、記録しておくとよいでしょう。

たとえば、

  • 食事の準備
  • 食器洗い
  • 洗濯
  • 掃除
  • 買い物
  • 子どもの送迎
  • 保育園・学校との連絡
  • 子どもの病院への付き添い

などを具体的に記録します。

「夫は何もしない」という感覚だけでなく、実際に誰が、いつ、何をしていたのかを記録しておくことが重要です。

⑵ LINE・メール・写真・録音を残す

夫婦間で家事分担について話し合ったLINEやメールがあれば、削除せずに保存しておきましょう。

「これをやってほしい」と頼んだこと、それに対して相手がどのように返答したのかなども、夫婦間のやり取りを示す資料になります。

また、モラハラがある場合には、モラハラの様子の録音・録画データが証拠として強力です。

⑶ モラハラがある場合は言動を記録する

DVと異なって身体に傷が残らないため、モラハラを示す客観的な証拠が重要です。

モラハラの様子の録音・録画データが証拠として強力ですが、モラハラ被害を継続的に記録した日記なども証拠として一定程度役に立ちます。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-03-460x460.jpg
櫻井弁護士

そして、自分がモラハラ被害を受けていることを認識することが何より大切です。相手と比べて経済的弱者であるため「自分が至らない」と思いがちですが、互いに思いやり支え合うのが夫婦です。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2021/06/CW_6239073-案03a-removebg-preview.png
事務員

経済的に弱い立場でも家事育児は立派な労働です。それを評価もせずモラハラしてくるなんて怒りが湧きますね!!勇気を出して行政の相談窓口や弁護士に相談しましょう!!

DVされて離婚する場合に有利に進める対処法3つを弁護士がお話します

⑷ 別居する場合の準備

離婚を考えている場合でも、すぐに離婚を決められるとは限りません。

別居を検討する場合には、生活費、住居、子どもの生活、仕事などについても事前に考えておく必要があります。

特に子どもがいる場合には、離婚後の親権、養育費、親子交流などについても整理しておくことが大切です。

【MEMO】
なお、2026年4月1日から、離婚後の親権や養育費、親子交流などに関する民法のルールが改正されています。子どもがいる夫婦が離婚を検討する場合には、現在の制度を確認しておきましょう。

8 家事をしない夫との離婚を考えたらどうすればいい?

ここまで説明してきたとおり、家事をしないことだけを理由として、必ず裁判離婚が認められるわけではありません。

だからこそ、いきなり「離婚する・しない」の二択にするのではなく、まずは現在の夫婦関係を整理してみることが大切です。

⑴ まずは家事・育児の分担について話し合う

まずは、現在どちらがどのような家事・育児を負担しているのかを具体的にしてみましょう。紙に書き出して視覚化するのもいいと思います。

https://asbirds.jp/media/wp-content/uploads/2025/01/名称未設定のデザイン-2-300x300.png
渡邊事務員

「あなたは何もしてくれない」と伝えるだけでは、夫婦喧嘩になってしまうこともありますから、「洗濯は夫、食事は妻」「平日は妻、休日は夫」など、具体的に分担を決めてみるのも一つの方法ですね。

https://as-birds.com/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01.jpg
櫻井弁護士

ええ、相手を責めるのではなく、建設的な話し合いとして「どう家庭をうまく回していくか」ミーティングする気持ちで臨むのが大切です。

⑵ 改善しない場合は離婚協議・調停を検討する

話し合いをしても状況が改善しない場合には、離婚について具体的に考える段階に入ります。もちろん、夫婦関係そのものを改善したいのであれば、夫婦関係調整調停(円満)という方法で夫婦関係の修復を目指す方法もあります。

一方、離婚を決意しているのであれば、離婚協議や離婚調停などの手続きを検討します。

⑶一人で抱え込まず、弁護士に相談する

家事をしないことが離婚原因になるかどうかは、家事の量だけで決まるものではありません。

夫婦の仕事、収入、家事・育児の分担、これまでの話し合い、相手の言動、夫婦関係がどの程度破綻しているのかなど、さまざまな事情を総合的に考える必要があります。

https://as-birds.com/media/wp-content/uploads/2020/09/CW_6152793-01.jpg
櫻井弁護士

「こんなことで弁護士に相談していいのだろうか」「私が我慢すれば…」と思う方もいるかもしれません。しかし、離婚を考えるほど悩んでいるのであれば、一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

9 家事をしない夫との離婚に関するよくある質問

Q1.家事をしない夫と離婚できますか?

夫婦双方が離婚に合意しているのであれば、家事をしないことを理由として協議離婚することができます。

一方、相手が離婚に応じない場合には、民法770条に定められた裁判上の離婚原因が必要です。家事をしないという事実だけで直ちに裁判離婚が認められるわけではなく、夫婦関係が破綻しているかなど、具体的な事情を踏まえて判断されます。

Q2.共働きなのに家事をしない夫は離婚理由になりますか?

共働きだからといって、必ず家事を半分ずつ負担しなければならないわけではありません。

しかし、夫婦間で特に合意がないにもかかわらず、一方だけが家事や育児を負担し、相手が協力を拒み続けているような場合には、婚姻関係の破綻を判断する上で重要な事情となる可能性があります。

Q3.専業主婦なのに家事をしない場合、離婚できますか?

業主婦だからといって、家事をしないことだけで直ちに裁判離婚が認められるわけではありません。

一方、夫婦間で家事を担うことが合意されていたにもかかわらず、家事を一切しない状態が続き、それによって夫婦関係が破綻している場合には、離婚原因となる可能性があります。

Q4.家事をしない夫に慰謝料を請求できますか?

家事をしないという事実だけで慰謝料が認められるとは限りません。

モラハラ、暴言、DV、悪意の遺棄など、その他の事情がある場合には慰謝料を請求できる可能性があります。

Q5.家事をしない夫との離婚ではどのような証拠が必要ですか?

家事・育児の分担状況を記録したもの、夫婦間のLINEやメール、写真、録音などが考えられます。

モラハラがある場合には、具体的な言動を記録した日記なども一定程度証拠として役立ちます。

10 まとめ

家事分担のかたちは夫婦それぞれですが、それだけにわだかまりも発生しやすいものです。

「夫は仕事、妻は家事」「共働きだから家事は半分ずつ」というように、一つの正解があるわけではありません。

大切なのは、夫婦それぞれが自分の負担を当然のものと考えるのではなく、相手の負担にも目を向け、話し合いながら生活していくことではないでしょうか。

一方で、何度話し合っても相手が協力してくれない、家事や育児を一方的に押しつけられている、さらに暴言や威圧的な態度などのモラハラもあるという場合には、一人で我慢し続ける必要はありません。

関係改善に向けて話し合いを持ちたい場合には夫婦関係調整調停(円満)という方法もあります。

私達の弁護士法人アズバーズでは調停のお手伝いも行っております。お気軽にご相談ください。

弁護士費用と無料電話問い合わせ 【弁護士への依頼】

幻冬舎GOLD ONLINE 身近な法律トラブル

関連記事

 

櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」千代田事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し11年目を迎える。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
  1. 家事をしない夫・妻と離婚できる?専業主婦(夫)と共働きの違いは?慰謝料・モラハラを弁護士が解説

  2. 別れた彼氏(彼女)にお金を請求された!交際中のデート代・プレゼントなどは返す必要がある?

  3. 【車・自転車】当たり屋の手口と対処法|泣き寝入りしないために知っておくべきこと

TOP
CLOSE