こんにちは。弁護士法人アズバーズの所属弁護士、菊川です。
亀有のソープランド「亀有角海老」が摘発されたようですね。詳細はわかりませんが,売春することを知りながらその場所を提供したことが被疑事実(容疑)のようです。
え?何が悪いんですか??ソープランドって昔からそういうもんなんじゃないんですか??
ソープランドは利用したことありませんが,ソープランドの法的性質についてご説明したいと思います。ソープランド使ったことないですけど。
1 ソープランドとは?
女性の私が聞くのも野暮ですが、そもそもソープランドとは一体何なのでしょうか?
ソープランドは,一般的な認識では,「個室付き浴場で性的なサービスを行う風俗店」というものかと思います。
そして,世にはキャバクラ,ガールズバーなどいろいろな風俗店がありますが,ソープの特徴はいわゆる本番まで行うところでしょう。使ったことないから知りませんけど。
しかしながら。そんな「売春宿の提供」をお上が許すはずがないのです。
そりゃそうでしょう,エッチな本やビデオはおろか,漫画やゲームなど,実際の行為を伴わない表現すら規制しようとしているのですから,その最たる売春を許すはずがないのです。売春防止法もありますしね。
ソープランドは,風営法上,「店舗型性風俗特殊営業」のうち,「浴場業の施設として個室を設け,当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」に該当しています。
つまり,風営法上,ソープランドは本番をする場所ではなく,あくまで,個室についているお風呂場で,異性(殆どの場合女性ですが)に体を洗ってもらうだけの施設なのです。
2 ソープランドの法的位置づけ
ではなぜ本番ができるというように言われているのかというと,ソープランド側はあくまでお風呂場を提供しているだけで,そこで行われていることについては知らないという建前があるからです。
つまり「ウチ(ソープランド)は場所を提供しているだけ。その場所を使った客と風俗嬢とが勝手に仲良くなってしまい,恋仲にいたり,その流れで本番をしてしまった・・・ウチはそんなふうに使われるなんて思ってもいなかった!」ってことですね。
かなり無理がありますが、これぞホンネとタテマエ論が横行する我が国らしい論調ですね。
もちろん,ソープランド経営者で,本気でこのように考えている頭フラワーガーデンな人はいないと思いますし,そんなことはもちろん警察もわかっています。
ただ,タテマエがこうである以上,適法な許可申請がされれば許可を出すのが通常です。
3 まとめ
ただし,このようにソープがソープとして存続できているのは,お上がお目溢ししているからですから,何か問題が起こったら(あるいは起こらずとも)いつでも摘発できてしまうわけです。亀有角海老で何があったかはわかりませんが,警察が介入しなければならないような特別な事情が生じたのかもしれません。
ソープに行ったことはありませんが,その利用者もそうですし,風俗嬢にも事情があるかもしれませんから,一律にソープを違法だ!と断罪すべきではないかなと思います。
清濁併せ呑む,水清ければ魚棲まずともいいますから,なんでもかんでも規制規制!法律法律!はよくないのかもしれませんね。弁護士が言うセリフではないかもしれませんが。あと,ソープにはいったことないです。
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