スポーツ中の怪我と損害賠償

菊川 一将

サッカー代表「大迫半端ないって!」で有名な大迫さんの大活躍を見逃した弁護士の菊川です。
同僚のT弁護士から「最低限の義務の不履行」という辛辣な言葉を賜ってしまいました。

24日の深夜0時からのセネガル戦も日本代表頑張れ!
菊川は夢の中で応援しています・・・。

余談に余談を加えてしまいますが,「大迫半端ないって!」動画,最高にエンタメですね。青梅市の河辺駅行きの電車に乗車中に見たんですが,盛大に吹き出してしまい,不審なおじさんに見えたでしょう・・・恥ずかしかったです。

スポーツ中の怪我に対する損害賠償請求

さて,サッカーやバスケなど,身体的接触を伴うスポーツをやっていると,どうしても相手選手と接触し,場合によっては怪我をしてしまうことがあります。私もしょっちゅうでした。

では,このようなスポーツ中の怪我に対し,損害賠償の請求はできるのでしょうか。

答えは,「できる場合がある」です。

この点に関し,有名な「ママさんバレー事件」があります。
題名を読めばどんな事案かだいたいわかるでしょうから,事案詳細は省きます。

この判決中で,裁判所は「一般に、スポーツの競技中に生じた加害行為については、それがそのスポーツのルールに著しく反することがなく、かつ通常予測され許容された動作に起因するものであるときは、そのスポーツの競技に参加した者全員がその危険を予め受忍し加害行為を承諾しているものと解するのが相当であり、このような場合加害者の行為は違法性を阻却するものというべきである」と説示し,損害賠償請求を退けました。

要するに,スポーツ中に怪我をさせてしまっても,

①それがルールの枠内をはみ出さず
②加害行為がスポーツの中で普通に有り得る動きによるものである

場合には,損害賠償責任は負わないということです。

翻って考えると,ルール上全く認められる余地がなく,そのスポーツを通常行っていく中でありえない行動によって負わせた怪我は,損害賠償責任の対象になる,ということですね。

最近ですと日大タックル問題がホットですが,まさにこの点が問題になりますね。
(示談が成立しているので直接の加害選手に対する賠償問題は解決したものと思われますが)

民法や刑法などの法律上の責任を言う前に,スポーツは紳士的,淑女的に行うべきですね。ラフプレーはほどほどに!

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櫻井 俊宏

「弁護士法人アズバーズ」千代田事務所・青梅事務所の代表弁護士。 中央大学の法務実務カウンセルに就任し11年目を迎える。

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